[原子力産業新聞] 2002年3月28日 第2130号 <4面>

[電中研] 研究成果の活用重視

電力中央研究所は25日、研究成果の活用促進などを柱とした、2002年度の事業計画を発表した。

22日開催の第187回提示理事会において承認を得たもので、02年度は特に「研究成果の活用を促進するとともに、社会的、技術的両面からの研究評価を進め、電気事業をはじめ、社会に役立つ研究所として、社会からの理解、信頼、期待を得た研究を推進する」としている。

具体的には、(1)コスト低減および信頼性維持(2)総合エネルギーサービスの創出(3)電力市場自由化への対応(4)環境問題への対応(5)エネルギーセキュリティ確保に関する各研究--を重点的に推進することにより、電力流通設備の合理的な地震災害軽減対策に寄与する地震リスクマネジメント手法の開発、将来の分散型電源増加に対応する需要地ネットワーク運用管理システムの開発、電力自由化に伴う系統計画・運用に対処するための供給信頼度評価プログラムの実用化、高レベル放射性廃棄物の処分や使用済み燃料の中間貯蔵技術などといったバックエンド技術ならびに、放射線の正しい理解と医療応用を目指した生物の低線承放射線応答モデルの提案と社会への情報発信などを目指す。

また、電気事業の技術革新を図る上で、重要かつ先導的な役割を担うものと期待されている計算科学、生物科学、材料科学、高温超電導、地球科学、レーザーープラズマ科学、ナノテクノロジーといった、各研究課題の推進にも注力する。

さらに、IS014001の精神に則った継続的な環境改善活動の取り組みや、「環境レポート(仮称)」の発行などを通じ、組織の社会的価値を高める活動への取り組みのひとつとして実施して来た「環境に配慮した研究所運営」の成果を、広く発信する活動も実施する計画だ。


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