[原子力産業新聞] 2002年4月4日 第2131号 <1面> |
[RI・研究所等廃棄物] 今年度から処分候補地選定3日に開かれた文部科学省の「RI・研究所等廃棄物の処分事業に関する懇話会(座長・中野誠詩東京大学名誉教授)」の会合で、今年度に同廃棄物の処分候補地選定にむけた作業が開始されることが明らかになった。あわせて、必要な総事業費も2つのケースに基づいて約2,300億円と2,600億円と見積もりが行われていることなどが示された。 この日の会合では、石黒秀治委員(原子力研究バックエンド推進センター常務理事)が、使用済み放射線源のほか研究用原子炉や核燃料物質使用施設から発生する廃棄物の処分事業について、これまでの経緯について説明した。同センター(RANDEC)は、2000年12月に原子力施設デコミッショニング研究協会が新たにRI・研究所等廃棄物の処分事業に関する活動を事業内容に加え、以来同廃棄物処分に関連する調査や知識普及活動を行ってきている。 同氏は、これまでに進められてきた検討結果に基づき、廃棄体の発生量は今後50年間に200リットルドラム缶換算で約65万本と推定されるほか処分場は敷地面積が約100万平方メートルが必要な点を紹介。事業費用の試算結果についても述べ、事業に対する課税条件等を加味したうえで、総事業費用を約2300億円と約2600億円の2通りを見積もっていることを明らかにした。そのうち、初期費用は400億円としている。 また、RANDECでは今後、約3年をめどに処分候補地の選定が行えるようにする必要があるとしていて、収集した処分候補地の情報を基に今年度から処分地として有望な土地の選定作業を開始したいとの考えを示した。 |