[原子力産業新聞] 2002年4月4日 第2131号 <2面>

[安全委基準部会] MOX加工安全指針案を了承

原子力安全委員会の原子力安全基準専門部会は2日、MOX燃料加工施設の安全審査指針に寄せられた国民からの意見への回答等についての審議を行い、同指針の審議を終了した。同専門部会は日本原燃が青森県六ヶ所村に建設を計画しているMOX燃料加工施設を念頭に、安全規制の基本となる考え方を検討して指針にとりまとめたもので、プルトニウム粉末を取扱う核燃料施設としての安全確保に必要な放射線管理、臨界安全性等の安全上重要な項目についてそれぞれ考え方を盛り込んでいる。

これにより、国内での民間によるMOX燃料加工体制整備にむけて、安全規制にあたっての基本的な安全確保の考え方が固まったことになる。

また今回同専門部会はJCO東海事業所で発生した臨界事故等を踏まえて、同指針とともに、想定を超える仮想的な臨界事故の評価についての見解をとりまとめ、事故の設定や被ばく評価、判断の目安を示した。原子力発電所などに比べ、潜在的危険性は小さく臨界事故の発生は想定しえないというのが専門家の大方の見方だが、プルトニウムを大量に取り扱う施設であることを考えて、念のために一般公衆に放射線障害を与えない施設であることを確認するためには意義があるとの観点から仮想事故の評価についての見解をまとめたもの。見解には、「技術的にみて臨界事故の発生が想定されない場合、安全審査指針とは別に、臨界事故の発生を仮想して評価することの重要性について示すことにした」との考え方が示されている。


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