[原子力産業新聞] 2002年4月18日 第2133号 <3面> |
[フィンランド] 5基目の建設計画、5月に議会評決7委員会が見解表明へフィンランドでは同国政府が1月17日に国内で5基目の原子炉建設計画を原則的に承認したのを受け、現在議会の7つの関連委員会がこの計画に対する意見表明を行っている。26日までに商務委員会がこれら7委員会の見解を取りまとめた上で、5月24日に議会で予定されている票決に向け原子炉建設計画案を議会に提出することになっている。 7つの委員会のうち、行政委員会はすでに3日、安全保障と民間の準備要件という視点から見て新たな原子炉の安全性は確保可能かもしれないとの見解を提示。米国における同時多発テロ事件後も原子炉の警備に関する追加情報を入手して検討したと伝えられている。社会保健委員会は同計画に対する一般大衆の懸念や原子炉による二酸化炭素排出量の削減効果などに焦点を当てたとしているが、3月22日の声明では明確な賛否を表明していない。農業・森林委員会でも未だ結論は出ていないものの、通商産業省によれば予備投票では10対5で賛成との結果が出ていたという。 一方、環境委員会は7委員会の中では初めて同計画に対する賛否を5日に票決。10対6で「反対」との結果が出たとしているが、公式の見解表明は後日になると見られている。また、残りの財務委員会、雇用/平等委員会、将来問題委員会もこれから委員会としての結論を取りまとめる見通しだ。 同国で5基目の原子炉建設についてはティオリスーデン・ボイマ社 (TVO) が2000年11月に建設計画申請書を提出した。5月に議会が同計画を承認した時点で初めて、TVO は5基目の原子炉設計選択など詳細に関する検討を始められることになる。 |