[原子力産業新聞] 2002年5月9日 第2135号 <2面>

[資源エネ庁] 原子力シェアは12.4%に

経済産業省・資源エネルギー庁は4月26日、2000年度のエネルギー需給実績(確報)を発表。それによると、当該年度の最終エネルギー消費は対前年度比0・7%増を記録し、過去最高値となるとともに、一次エネルギー総供給は2万3,385ペタジュール(PJ)と、対前年度比1.7%の増加を記録したことが明らかになった。

2000年度の最終エネルギー消費は、景気の部分回復により、1999年度に記録した過去最高値を塗り替える1万5,729PJを記録した。

供給面に目を移すと、当該年度の一次エネルギー総供給は2万3,385PJと、対前年度比1.7%増加を記録。

エネルギー源別では、電力部門の需要増加にともない、石炭および天然ガスの総供給量は対前年度比5%以上の大幅増を記録した。

一次エネルギー総供給に占めるシェアは、石炭17.9%(対前年度比0.6ポイント増)、天然ガスは13.1%(同0.4%増)となった。

石油は対前年度比プラス1.1%と若干の増加を見せたものの、総供給に占めるシェアは51.8%に低下し、水力・地熱はほぼ横ばいをマーク。新エネルギー等は、紙パルプでの黒液廃材の利用増加、自治体によるごみ発電の活発化を反映し、総供給量対前年度比1.9%増を記録した。

原子力については、発電電力量で見た場合、良好な設備利用率を反映し、対前年度比1.7%増の3,220億キロワット時と増加しているが、火力発電効率の向上によるエネルギー源別発熱量の見直しにともない、電力の一次エネルギー換算率が4.5%減少したため、一次エネルギー総供給量は対前年度比2.8%減少。同様の理由から、シェアも0.6ポイント減少の12.4%となっている。

一方、今回の需給実績から、わが国エネルギー起源の二酸化炭素排出量を試算した結果、11億5,870万トン−CO2となり、対前年度比1.1%の増加となることも、合わせて明らかにされた。経済産業省では、増加の理由を(1)民生・産業両部門において、エネルギー消費が増加したこと(2)増加した電力需要に対し、石炭火力を中心とする火力発電で対応したこと−などが主な原因と分析している。

なお、一人あたりエネルギー起源CO2排出量は、対前年度比0.8%増(1990年度との比較では7.2%増)となっているが、国内総生産あたり排出量で見ると、対前年度比0.6%減(同3.4%減)となっている。


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