[原子力産業新聞] 2002年5月16日 第2136号 <2面>

[東京電力] タービン制御装置基盤の不具合は偶発的

東京電力の柏崎刈羽原子力発電所3号機(BWR、110万キロワット)において、5日に発生した出力降下について、同社は14日、トラブルの直接的な原因とみられるタービン系制御装置内の基盤の故障は、偶発的な一過性のものであったと結論付けたことを明らかにした。

東電は5日、同ユニットにおける復水器真空度低下による出力の降下が発生した際、原因調査を実施。結果、「タービン系制御装置内の基盤で故障が発生したために、蒸気式空気抽出器の弁が閉まり、復水器の真空度が低下した」ことが判明したために当該基盤を交換し、弁の制御が正常に行われることを確認した上で、翌6日には、出力を定格に戻す操作を行っていた。

不具合が発生したと推定された2枚の基盤は、発電所で調査した時点では既に正常状態に復帰していたが、東電では念のため、当該基盤に1枚を加えた計3枚を、メーカー工場で調査。何れの基盤においても異常は確認されなかったことから、今回のトラブルは「基盤に偶発的に一過性の不具合が発生したもの」と結論付けた。

なお柏崎刈羽3号機は現在、新しい基盤を用いて順調な運転を続けている。


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