[原子力産業新聞] 2002年5月16日 第2136号 <2面>

[INES評価小委員会] 全事象「軽微」と結論

総合資源エネルギー調査会の原子力安全・保安部会INES評価小委員会(委員長・近藤駿介東大教授)が7日に開催され、前回開催日以降〜4月25日までの間に原因、対策についてプレス発表を行った原子力施設のトラブルの評価を実施。経済産業省原子力安全・保安院が8日に、その結果を発表した。

今回対象となったトラブルは(1)1月30日に発生した、関西電力・高浜発屯所4号機における、蒸気発生器伝熱管の通流探傷検査による有為な指示(2)三月四日に発生した、東京電力・柏崎刈羽原子力発電所1号機における、原子炉冷却材再循環ポンプ軸封部のシール機能低下(3)3月7日に発生した、東北電力・女川原子力発電所2号機における、復水系復水流量計配管からの漏洩C4、2二日に発生した、北陸電力一志賀原子力発電所1号機における、原子炉冷却材再循環ポンプ軸振動の変動D四月三日に発生した、日本原子力発電・東海第二発電所における、出力上昇中における原子炉給水系B系統の給水逆止弁開不動作の五件。

INHS評価小委で、それぞれの事象に対して評価を実施した結果、全ての事象につ-て、「原子炉施設の安全性に影書を与えない事象である」と判断。五件とも「レベルoマイナス」と決定し、`全事象ともに非常に軽微なものであったと結論付けた。

INES(国際原子力事象評価尺度)は、国際原子力機関(IAEA〕および経済協力開発機構の原子力機関(OECD/NEA)が、原子力発電所等の個々のトラブルについて、それが安全上どのような意味を持つものかを簡明に表現できるような指標として策定し、1992年3月に加盟各国に提言した尺度。わか国においては同年8月から運用を開始しており、その際にはトラブル発生後に原子力安全-保安院が暫定評価を行い、原因究明かなされて再発防止策が確定した後、総合資源エネルギー調査会原子力安全・保安部会に設置された一NES評価小委員会において専門的かつ技術的な立場から検討を行い、正式評価を実施している。なお同小委は現在、四半期に一回の割合で開催夫れている。


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