[原子力産業新聞] 2002年5月16日 第2136号 <3面>

[米国議会・下院] 処分場計画支持

米国議会・下院は8日、ネバダ州ユッカマウンテンを使用済み燃料など高レベル放射性廃棄物(HLW)の最終処分場サイトとする計画を306対117の圧倒的多数で承認した。

この計画に対して地元ネバダ州が発動した拒否権を超党派で退けたもので、エネルギー省(DOE)のS.エイブラハム長官は「処分サイト用に設けられた厳しい規制項目をユッカマウンテンが満たせるかどうかの最終判断を米国原子力規制委員会(NRC)の独立の専門家に委ねることに下院が同意したことになる」と指摘。最終的にはNRCが同地をサイトとして認めると信じているとの見解を表明した。

同長官はまた、319州の131か所に使用済み燃料を暫定貯蔵しておくよりも、ユッカマウンテンに単一の処分場を建設する方が米国の国家やエネルギーを保障し、環境を防護する上でも役に立つと強調。ネバダ州の異議に関する審議が今後、上院に回されることについても「下院と同様、必ずこの計画を超党派で支持するはず」との認識を示した。下院審議の中では廃棄物輸送への懸念など根拠の薄い反対意見が不安材料となって議会の手順を中断させることはなかったとしている。

同長官はさらに、[連邦政府はこれまで30年以上にわたって通算160万マイルもの道のりを放射線漏れなどの事故もなく安全に放射性廃棄物を輸送してきており、近年では廃棄物の貯蔵サイトから75マイル以内に1億6100万もの人々が居住している」と言明。NRCが同サイトの適性について最終判断を下すために上院が一刻も早くDOEの勧告を認めるよう促したいとの考えを示した。


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