[原子力産業新聞] 2002年5月30日 第2138号 <3面>

[スウェーデン] バーセベック2号機で大がかりな改修工事

スウェーデンのバーセベック原子力発電所が2日付けで伝えたところによると、同発電所では早期に閉鎖されることが決まっている2号機(61万5000キロワット、BWR)の安全改善プログラムを予定通り継続する。

97年の同国の主要3政党による合意に基づき閉鎖が決まっている同2号機は、2000年9月、代替電源の当てがつかないことから当初予定されていた2001年7月の閉鎖が見送られている。閉鎖日程が実質的に不透明になってきたことから、同発電所では毎年1億クローナ(13億円)以上の予算をかけ、3年計画で大がかりなバックフィット作業を開始するもの。具体的には今年7月から8月にかけての年次メインテナンス期間を利用して、77年の運開以降初めて原子炉容器内の水を抜き取るほか、一次システムの取り替えも行う予定だ。

スウェーデンでは今年3月、国内で稼働する原子炉11基の運転年数に制限設定を試みる政治的な動きが見られた。また同日、G・ぺーション首相は「もしも仮に代替電源が確保できる見通しさえつけば2号機を来年にも閉鎖するという国家戦略に変わりはない」と強調した。

しかし、バーセベック発電所の二ューズ・レター5月号は「発電所を巡る政治状況は今まで通り。言い換えれば、電力供給に支障を来さず、省エネや再生可能エネルギーで2号機による発電量を代替できる場合にのみ閉鎖されることになるのだが、現時点でこれらの条件を満たすことは到底不可能だろう」と指摘している。


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