[原子力産業新聞] 2002年6月6日 第2139号 <1面> |
[原電]敦賀1号機2010年停止へ日本原子力発電の鷲見禎彦社長は5月30日、栗田幸雄福井県知事および、河瀬一治敦賀市長らを訪問し、同社の敦賀3、4号機(各APWR、152万8000キロワット)の増設計画について理解を求めるとともに、それに伴い同1号機(BWR、35万7000キロワット)の運転を、2010年に停止する方針を伝えた。廃止が行われるのは、国内軽水炉としては初めてのこと。わが国BWR初号機として、人材育成など様々な使命を果たしつつ、およそ30年にわたる運転を続けてきた1号機だが、経済性、地域経済への影響など様々な観点からの検討が行われた結果、敦賀3、4号機増設計画の進捗を踏まえて廃止の方針が決定された。原電は今後、廃止措置にともなう諸問題の検討に入る。 敦賀1号機は1970年の運開以来、わが国BWRのパイオニアとして建設・運転経験の国内BWRへの反映、人材育成への寄与など様々な使命を果たしてきた。しかし一方で、出力規模が小さく、電力自由化が促進される状況下では、大型の軽水炉に比べてコスト競争力面で不利であることなどから、原電では1999年に社内に検討委員会を設置し、停止時期についての検討を進めていた。 結果、@技術的には長期保全計画を着実に実施し、10年ごとの見直しを行っていけば、安全性・健全性を十分に保ちながら60年間の運転が可能A経済性の面では当該号機は海外から輸入した軽水炉の初号機であり、かつ出力規模が小さいことから、将来的に大型軽水炉に比べ、電力自由化の状況下、コスト競争力の面から不利になるB停止による雇用・発注の減少が地元経済に与える影響については、3、4号機の具体化により避けられるC停止が地球温暖化対策およびエネルギーセキュリティに与える影響は僅かなもの−と評価。廃止の方針を決定した。 廃止時期について原電は、検討結果および地元情勢、敦賀3、4号機増設計画の進捗状況を踏まえて総合的に判断した結果、2010年とし、今後はこれに基づいて地元などの理解を得ながら、放射性廃棄物の低減などといった諸課題の解決に向けた具体的な検討を進めていく。 |