[原子力産業新聞] 2002年6月6日 第2139号 <1面>

[政府] 京都議定書、批准を閣議決定

参議院は5月31日に開かれた本会議で地球温暖化防止条約京都議定書の批准を全会一致で承認するとともに、同議定書を担保する国内法として地球温暖化対策推進法の改正案もあわせて可決した。これを受け、政府は4日の閣議で議定書批准を決定、5日には国連事務局に受諾文書が寄託された。

温暖化対策推進法の改正では、京都議定書目標の達成に向けた計画を定め、2004年および07年の時点で計画の目標や施策を検討したうえで必要ならば変更することができるよう規定した。温室効果ガスの排出抑制を目的とした施策としては、内閣に地球温暖化対策推進本部を法律に基づいた組織として設置することや「地球温暖化対策診断」の実施の追加を盛り込んだほか、地方公共団体や事業者、住民等で構成する地球温暖化対策地域協議会の設置等を整備することが明記された。また、京都メカニズムを活用するために国内制度を検討する規定を設けることも定められた。東部議定書は2008年〜12年の第1期間における先進国の温室効果ガス排出を平均で1990年を基準として5%削減することを目標に定め、我が国が6%のほか欧州連合が8%削減するとしている。米国は議定書に基づく国際公約から離脱しているが、我が国とともにロシアなどの批准が完了すれば議定書は発効する。ただし、ロシア国内での議定書批准手続きが遅れていて、締約国が当初目指していた今年8、9月に開かれるヨハネスブルク環境サミットまでの議定書発効は極めて困難な情勢となっている。


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