[原子力産業新聞] 2002年6月13日 第2140号 <5面>

[東芝メディカル] 省スペース型を販売

東芝メディカルはこのほど、壁から10センチメートルの距離に設置できる省スペースタイプの高画質遠隔操作式X線透視撮影システム「Winscope1000」の販売を開始した。フィルムマガジンを撮影台の手前側から交換できるフロントローディング方式を採用したほか、X線高電圧装置を小型化して遠隔操作卓の中に収納したことで、狭い検査室でも設置可能な省スペース化を実現させた。放射線検査室のスペースを広く取れない一般診療所やビル内の診療所などへの設置にも適している。

同装置はまた、透視画像をメモリして表示することで、検査の確認を容易にし、不要被ばくの低減に寄与する多彩な画像メモリ機能や、寝台や撮影部の移動を静かにスムーズに行うことができるインバータ制御モータによる駆動など、従来高級機に使用していた技術を普及タイプシステムに採用。多目的検査用途への対応や患者サービスを向上させるとともに、高い診断精度、画質、検査のワークフロー向上を提供できる。国内販売価格は3000万円からで、海外も含め販売開始から1年間で500台の販売を目指す。

遠隔操作式X線透視撮影システムは、胃や大腸などの消化管検査だけでなく、整形外科、呼吸器科、内視鏡併用検査等さまざまな用途に使用されており、国内市場は年間約250億円。東芝は約50%のシェアを有している。


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