[原子力産業新聞] 2002年6月20日 第2141号 <1面>

[総合科学技術会議] 燃料サイクル技術も対象

総合科学技術会議(議長・小泉純一郎首相)は19日に本会議を開き、来年度の科学技術分野の予算や人材等への資源配分に関する方針を決定した。

世界最高水準の科学技術創造立国の実現を目指し、科学技術政策の戦略的重点化とシステム改革を進める点を基本的考え方として掲げる一方、経済の活性化や産業競争力強化を直面する課題だと位置づけ、重視する姿勢を打ち出した。

具体的には、基礎研究の推進や国家的・社会的な課題に対応した研究開発を重点化するとしたうえで、前年度に続き、ライフサイエンス、情報通信、環境、ナノテクノロジー・材料を重点4分野として資源配分を行う必要性を強調。このうち、環境については今年3月に決定した地球温暖化対策推進大綱に基づき、温暖化抑制政策研究や温室効果ガス掛出削減技術等の地球温暖化研究を推進することを挙げた。

また、エネルギー分野に関しても地球温暖化対策推進大綱を踏まえた資源配分の考え方が明確に示された。来年度に向けた資源配分方針の中で、エネルギー・システムやインフラを高度化するために、核燃料サイクル技術や燃料電池・水素利用などが必要な研究開発と位置づけたほか、エネルギーを社会的・経済的に評価分析するためとして原子力や新エネルギーの社会受容性(パブリック・アクセプタンス)等の研究が重点事項に挙げられたことが特徴的となっている。さらに、エネルギー利用の安全・安心面での研究として、原子力や水素利用の安全対策技術を調査研究することも加えられた。


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