[原子力産業新聞] 2002年6月20日 第2141号 <3面>

[ロシア原子力学会] 乾式貯蔵施設建設

ロシア原子力学会が6日付けで伝えたところによると、同国はこのほど、クラスノヤルスクに使用済み燃料の長期乾式貯蔵施設を建設する原則決定を下した。

クラスノヤルスクは、R2使用済み燃料再処理工場が建設途中のシベリア南部ゼレズノゴルスク近郊に位置しており、2000年にすでに乾式貯蔵施設建設候補地として名前が上がっていた。

施設はモジュール方式でフェーズ毎に少しずつ建設されることになっており、1フェーズの容量は1万立方メートル。最終的な貯蔵容量は3万3000立方メートルになる計画だ。第1フェーズの操業開始は2006年を予定しており、建設費は1億2000万ドル(156億円)。プロジェクト全体の総工費は3億3000万〜3億6000万ドル(468億円)に達すると予想されている。これはロシア原子力公社の負担となる可能性があるが、ロシア原子力省(MINATOM)のA.ルミャンツェフ大臣は「建設費の調達についてはまだ最終的な解決を見ていない」と言明した。

なお、ゼレズノゴルスクの再処理工場が操業を開始するのは2020年になる見通しだ。ロシアではチェリャビンスクのマヤク施設で年間400トンの使用済み燃料を再処理する能力があるが、実際の処理量は年間150トンほど。これに関してMINATOMのE.シングラーエフ報道官は、「今まではこれだけの処理量で十分だったが、ロシアでは今後10〜15年間に海外からの使用済み燃料2万トンを再処理のために受け入れる計画があり、新規の容量が必要になる」と説明している。


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