[原子力産業新聞] 2002年 7月 11日 第2144号 <3面> |
[AECL] CANDU炉公表カナダ原子力公社(AECL)は6月24日、改良型の70万キロワット級CANDU炉であるACR−700を発表し、市場開拓に向けてキャンペーンを開始した。 同炉は次世代型CANDU炉の名で開発されていたモジュール型炉で、供用中の燃料交換やシンプルな燃料設計、柔軟性のある燃料サイクル・オプションなど、これまでのCANDU炉開発で実証済みの技術を多く採用しているのが特長。2005年には市場での取引きが可能になるほか、容量をにアップしたACR−1000の開発も進行中だとしている。 ACR−700の利点としてAECLが特に強調しているのは資本費の大幅な削減で、次のような工夫により従来の40%カットが実現できるという。すなわち、@同じ出力で半分の炉心サイズというコンパクト設計A高圧蒸気タービンで改良した熱効率B重水の利用量とそれに伴うコストの削減C使用済み燃料容積の削減を可能にするキャンフラックス束、微濃縮ウラン酸化燃料の使用により燃料寿命を従来型の3倍に延長Dプレ・ハブ式のモジュール工法E原子炉全体の合理化と設置面積の縮小−など。 AECLによれば、ACR設計はその他の原子力発電システムのみならず、石油火力、石炭火力および天然ガス火力に対しても高い競争力があるとしている。 |