[原子力産業新聞] 2002年7月18日 第2145号 <1面>

[電源開発分科会] 敦賀3、4号を組入れ、今年度基本計画決める

総合資源エネルギー調査会の電源開発分科会 (かつての電源開発調整審議会に相当) は12日、今年度の電源開発基本計画案について審議を行い、日本原子力発電の敦賀3、4号機増設計画を含む2地点・308万6000キロワットを、今年度の国の電源開発基本計画に組み入れることを了承した。新規原子力発電所の組み入れは、昨年6月の中国電力上関1、2号機建設計画以来のこと。これにより敦賀増設計画は、実現に向けて大きく前進した。

分科会では (1) 02〜11年度までの10年間に、4514万キロワットの新規電源を運開させる02年度電源開発基本計画 (2) 北海道電力の新忠別 (水力・1万キロワット) 、原電の敦賀3、4 (原子力・153万8000×2) の電源開発基本計画への組み入れと、電源開発 の小国地熱 (地熱・2万キロワット) の、同計画からの削除が了承された。

初の改良型加圧水型軽水炉 (APWR) として注目を集める、原電の敦賀3、4号機増設計画。両機ともに出力は153万8000キロワットと世界最大級となる予定で、今年2月に第一次公開ヒアリングが開催された後、福井県の栗田幸雄知事は先月13日、経済産業省・資源エネルギー庁に対し、同計画を国の電源開発基本計画への組み入れを了承するなど、計画は順調に進展している。なお着工は、3、4号機とも2005年度に、運開は3号機が2010年度、4号機が2010年度とそれぞれ予定されている。

敦賀3、4号機増設計画が、電源開発分科会において国の電源開発基本計画を組み入れることが了承されたことについて、原電の鷲見禎彦社長は「当社にとってまことにありがたく、地元の皆様方はじめ、関係各方面の方々に対し、深く敬意を表するとともに心より感謝申し上げる次第だ。当社としても、日本におけるエネルギーセキュリティと地球温暖化防止に貢献し得るものと考える。計画を進めるにあたっては、安全性の確保を最優先に、信頼される発電所作りに最善を尽くすとともに、環境保全にも万全を期していく所存だ。また、原子力に対するなお一層のご理解を賜るよう、並びに増設計画が地域の発展にお役に立てるよう努力していく」との談話を発表している。


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