[原子力産業新聞] 2002年7月18日 第2145号 <2面> |
[ニュークリアセイフティーネットワーク] 15年間無事故など評価ニュークリアセイフティーネットワーク (NSネット) は11日、茨城県那珂郡東海村にあるレーザー濃縮技術研究組合東海濃縮実験所を対象とした、相互評価 (ピアレビュー) の結果を公表した。 今回レビューの対象となった東海実験所は、1987年度から92年度までの間、第一期研究開発として原子レーザー法の技術的成立性の確認等を目的に、年間1トンSWU規模の装置開発を実施。また93年度から99年度までは第2期研究開発として、それまでの成果を踏まえて、商業機を目指した要素機器の開発を進め、レーザー装置とともに所期の性能を有していることを確認。さらに要素搬器である分離装置とレーザー装置を組み合わせた濃縮試験を今年3月に実施し、現在はシステム全体の性能を確認・評価を行なっている。 今回のレビューは、北陸電力、日本核燃料開発、三井造船、北海道電力、日立製作所からなるレビューチームが行った。 この結果、レビューチームは「直ちに改善措置を施さなければ重大事故に繋がるような項目は見いだせなかった」とするとともに、実験所は15年間にわたり無事故・無災害を継続しており、これを今後も継続して行くべく、安全確保に所長自らが率先垂範して取り組んでいる様子が確認出来たなどとしている。 なお、レビュー報告書では原子力業界に広く紹介されるべき良好事例として、 (1) のべ15年間の無事故・無災害の達成 (2) 濃縮試験におけるヒューマンエラー防止対策の積極的な採用 (3) ウラン廃棄物の保管廃棄における工夫 (4) ウラン屑に対する多重の火災防止対策--を挙げている。 また、改善提案として、「地元地域や一般へのタイムリーな情報発信」、「ヒヤリハットや他施設トラブル事例等の水平展開システムの創設」、「JCO事故の教訓を踏まえた倫理教育等の教育カリキュラムヘの追加」を、それぞれ挙げている。 |