[原子力産業新聞] 2002年7月18日 第2145号 <3面>

[国際原子力機関] ブルガリア炉の安全性保証

国際原子力機関 (IAEA) は9日、ブルガリアのコズロドイ3、4号機 (各44万キロワット、VVER2基) で6月下旬に実施した安全審査ミッションで、「世界のほかの同時代の原子炉と同じレベルまで安全性が改善された」との評価結果を公表した。

IAEAの専門家による今回の審査は、同機関の様々な審査チームが勧告した一連の改善作業も含め、過去10年以上におよんだ同発電所の安全性改善・評価活動の集大成としてブルガリア政府の要請により行われたもの。同発電所の試算では91年から2006年までの間、安全性改善作業のために投入される総額は7億ユーロ (819億円) に及ぶという。91年のIAEA審査に倣って、国際社会はこの目的のために基金の拠出を開始。97年に同発電所が始めた3、4号機の大規模な改造プログラムは今年になって完了している。

今回の審査でIAEAは、91年に同機関が初めて審査して以来、両炉の安全性が大幅に改善されたことを保証しており、「運転上および設計上の安全性は (米国や西欧など) 世界のほかの同時代製原子炉と同じレベルになった」と強調。一次系配管の破断を含む冷却材喪失事故 (LOCA) 全般にも対処できるとの見解を示した。また、設計や運転、耐震の分野で予見された以上の数多くの安全対策が取られており、同発電所の経営陣および技術スタッフが継続的に安全問題を最優先に取り組んだことは明らかだと保証している。

IAEAの専門家達はさらに、同発電所では計装制御 (I&C) システムの近代化や機器の徴候に基づく緊急時運転手続きが採用されている点を指摘。材料管理や経営面でもよく改善されていると付け加えた。


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