[原子力産業新聞] 2002年7月18日 第2145号 <3面> |
[フランス] イリジウム輸送で高線量被曝判明フランスの放射線防護・原子力安全研究所 (IRSN) は6月25日、スウェーデンのスタズビック社から昨年米国に輸送した放射性イリジウム貨物による被曝事故で作業員の一人が通常より非常に高い線量を被曝していたことを明らかにした。 昨年12月末にスウェーデンを出発したイリジウム貨物はパリ経由で米国に移送されたが、パリ近郊のロワシーにあるシャルル・ドゴール空港で貨物に接触したフェデラル・エクスプレス社従業員のうち4名を再検査したところ、1名が約100mSv被曝していることが判明したもの。同社の梱包貨物取扱作業員2名の血液を5月に検査した時、1名の被曝線量は約15mSvと推定されていた。欧州連合 (EU) 諸国では一般大衆の年間許容線量は1mSv、放射線作業従事者でも20mSvであることから、パリを通過する時点で貨物からすでに放射線が漏れていたことが考えられ、IRSNでは従業員の被曝線量を正確に知るため再検査の実施を要請していたもの。 なお、同貨物が今年1月始めに米国のニューオリンズに到着した後、貨物のトラック輸送を担当した作業員の被曝線量は3.4mSvだったことが分かっている。 |