[原子力産業新聞] 2002年7月18日 第2145号 <3面>

[米国] デューク社に不正会計疑惑

米国の大手原子力発電会社で、オコーニーなど複数の原発を所有するデューク・エナジー社が不正会計の疑いで12日に複数の政府規制当局から召喚状を受け取ったことが明らかになった。

同社が疑われているのは「ラウンド・トリップ (往復) 」と呼ばれる取引きの有無で、同種の企業間で同一量、同一価格の売買を繰り返して帳簿上の売上げを水増しする方法。天然ガス・電力の大手企業であるエルパソ社も同じ日に同様の召喚状を商品先物取り引き委員会およびヒューストン連邦地検から受け取ったが、これはダイナジー社、リライアント・リソーシズ社など一連の大手電力会社が連邦政府機関から取引き活動記録の提出を求められたのに続く動きだ。2年前にカリフォルニア州で電力危機が発生した際、同州の州政府が水増し取引きの横行を原因の一つに挙げたことから、電力取引き業者による市場戦略に関して複数の政府機関が調査を開始したものと見られている。

デューク社としては、「いくつかの取引きは往復取引きに見えるかもしれないが、実際はそうではない」と弁明。当局の取り調べには全面的に協力していることを強調した。なお、同社の召喚状受け取りが公表された後、ニューヨーク証券取引所における同社の株価は前日比から3.20ドル (11.45%) 低下。24.75ドルという安値で取引きを終えた。


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