[原子力産業新聞] 2002年7月25日 第2146号 <3面>

[中国] 国産化の達成、目標に

中国の第九次五か年計画期 (96年〜00年) 最大のエネルギー事業の1つである広東嶺澳原子力発電所1号機 (98万5000キロワット、PWR) の営業運転開始祝賀会が2日に深せんで開催された。同発電所では「運転しながら建設を進める」方針を貫徹しており、5月28日に1号機が計画より48日早く営業運転入りする一方、同2号機も順調に作業がすすめば来年始めにも営業運転を開始する予定。最終的には出力100万キロワット級原子炉を4基据えつけることになっている。

なお、祝賀会でテープカットを行った李鵬・共産党中央政治局常務委員・全国人民代表大会 (全人代) 常務委員長は中国の原子力発電に対する取組み方について次のように演説した。

中国では石炭と水資源が豊富だが分布が不均衡という特徴があるため、水力、火力の発展と同時に原子力発電の適切な開発をエネルギー政策の柱としている。国は西部の電力を東部に送る事業を実施中だが、広東のような地区は外部から電力供給を受けるほかに地元でも適切な割合で電源が必要。この意味で原子力発電事業には一定の発展の余地があり、嶺澳一期工事の完成に続いて二期工事にもしっかり力を入れなくてはならない。

大亜湾原子力発電所の建設は外貨を利用し、外国の先進技術を導入した大型事業であり、英仏両国の政府と企業が積極的に協力。その後、嶺澳発電所が建設されたという事実が証明するように海外の資金と先進技術を導入して中国の原子力発電所建設能力を高めることは正しい方法だ。

嶺澳発電所では大亜湾と比較して工期が短縮されたほか工費も下がるなど一段と作業効率が改善された。国内外の経験を学び、工事管理、建設・据え付け、稼働準備、一部設計を独自に行い、一部設備の国産化を進めた結果、嶺澳原発の国産化率は20〜30%に向上している。

大亜湾、嶺澳の両原発工事で管理を担当した中国広東原発集団は資金投入の多様化を実現し、建設過程で入札制度と監理制度を実施。管理面では近代的な企業管理方式を採用した。大亜湾については経済効率のみならず安全面でも世界の原子炉の中でもトップクラスにあるほか、嶺澳の建設も順調に進捗。両原発での建設、操業の実績に示されているように、近代的な企業制度に基づく建設および経営によって中国の国有企業も一層巧みな経営が可能である。(中国通信)


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