[原子力産業新聞] 2002年7月25日 第2146号 <4面>

[日本原燃] 低レベル次期埋設施設で予備調査

日本原燃は10日、低レベル放射性廃棄物の次期埋設施設に関する予備調査を終了し、予備調査の結果からは立地予定地区の施設立地に問題ないとの結果を発表した。日本原燃は、昨年7月4日から、低レベル放射性廃棄物のうち放射能レベルの比較的高い廃棄物の埋設施設の設置が可能かどうかを確認するため、濃縮・埋設事業所内の南側台地において、ボーリングを主体とした地質・地下水に関する予備調査を実施してきたもの。今後は予備調査の結果を踏まえ、さらに詳細なデータを取得するための本格調査を行うことを検討している。調査では、低レベル放射性廃棄物のうち放射能レベルの比較的高い廃棄物の埋設施設の設置が可能かどうか確認するため、濃縮・埋設事業所敷地内の南側台地において、ボーリングを主体とした地質・地下水に関する予備調査を実施してきた。

地質調査の結果では、南側台地に分布する地層について地表付近に堆積する第四紀層を除くと新第三紀中新世に堆積した鷹架層が広く分布していることがわかった。また南側台地の地表からの深さ50から100メートル付近に分布する鷹架層は、割れ目が少なく、三軸圧縮試験などから施設の設置にあたって充分な強さをもつことが確認されたことから、地表からの深さ50から100メートル付近に空洞を掘削することは可能であると判断している。

また地下水調査の結果では、南側台地の鷹架層は割れ目が少なく、透水試験結果から地下水は流れ難いことを確認したことから、放射性物質は容易に移動しないと考えられることがわかったほか、南側台地における降水の大部分は、地表面または第四紀層をとおって台地の周辺へと流れていくことから、降水のごく一部は、鷹架層に浸透し、ゆっくりとした速さで深部及び台地の周辺に流れていることがわかった。

これらの調査の結果、予備調査の結果からみて、濃縮・埋設事業所内の南側台地には、埋設施設の設備に関して間題となるようなデータは得られていないことから、同社では「低レベル放射性廃棄物のうち放射能レベルの比較的高い廃棄物の埋設施設の設置が可能との見通しを得ることができた」としている。


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