[原子力産業新聞] 2002年8月1日 第2147号 <1面>

[原子力安全委員会] 高レベル処分地選定で環境要件まとめる

原子力安全委員会は7月25日、特定放射性廃棄物処分安全調査会から「高レベル放射性廃棄物処分の概要調査地区選定段階において考慮すべき環境要件について」の報告を受け、パブリックコメントに付した。

高レベル放射性廃棄物の最終処分にむけて事業主体の原子力発電環境整備機構は今秋にも概要調査地区選定の公募を開始する予定で、選定あたっての環境要件をとりまとめたもの。報告は「現段階において、明らかに処分地として不適切であると考えられる要件をあらかじめ提示し、概要調査地区選定に際しての判断の根拠を示すことは、選定プロセスの透明性を高めるとともに、必要な安全確保に関する検討を着実に進める上でも重要」とし、地質環境や鉱物資源の腑存などの観点から選定に際する環境要件を示している。また高レベル廃棄物の安全確保にあたっての基本的な考え方として「処分の安全性が長期に亘って確保されるためには、実施主体による処分地の選定に続いて、事業許可申請以降、事業廃止に至るまで、各段階に対応した安全確保方策を講じることが必要」としている。

具体的な要件として、地質環境の面からは、活断層の存在が文献で明らかな地域、第四紀に活動したことのある火山の存在が文献調査で明らかな地域については選定地区に含めないとしている。

また経済的に重要な鉱物資源の鉱床等が文献調査で明らかな地域は、廃棄体が埋設されていると知らない人間が掘り起こすといった事態も考えられることから選定地区に含めないとしている。岩盤の特性に関しては、処分施設深度で、第4紀の未固結堆積層が広く分布することが文献調査で明らかな地域は含めないとしている。(4面に報告の概要)


Copyright (C) 2002 JAPAN ATOMIC INDUSTRIAL FORUM, INC. All rights Reserved.