[原子力産業新聞] 2002年8月8日 第2148号 <3面>

[カナダ] 米での新しい濃縮共同事業にカメコ、WH社が参加へ

世界最大手のウラン生産業者であるカナダのカメコ社は7月22日、同社とウエスチングハウス社が、米国で新しいウラン濃縮工場の操業を計画しているルイジアナ・エネルギー・サービシズ(LES)の共同事業に参加することで暫定合意文書に署名したことを明らかにした。

LESと交わした合意覚書(MOA)により、両社はLESが数年前から計画していた遠心分離方式の新型ウラン濃縮工場の設計・建設・操業に加わることになる。新工場の遠心分離法は欧州のウラン濃縮企業であるウレンコ社が開発した低コスト技術を採用することになっており、ガス拡散法を使って現在米国で唯一ウランを濃縮している米国ウラン濃縮会社(USEC)と真っ向から競合していくことが予想されている。

LESの共同事業にはすでに、ウレンコ社や米国のエンジニアリング建設企業であるフルア・ダニエル社のほかに、エクセロン社やエンタジー社、デューク社といった米国の大手エネルギー企業の下請け会社が参加。総額11億ドル(1287億円)と見積もられている新工場の認可申請を2002年末もしくは03年初頭にも提出するため、今年3月半ばから米国原子力規制委員会(NRC)との協議に入っているという。計画通りに進めば初期の濃縮ウラン生産容量百万SWU、従業員数200〜250名で07〜08年にも操業を開始し、徐々に生産能力を300万SWUまで拡大していく考えだ。

なお、カメコ社はMOAに従って、許認可手続きが完了した後の連携形態再構成に伴い、当初20%の出資率を25%まで増加することになっている。

LESのP.アプソン会長は、「世界の原子力産業界のリーダー的存在である2社をチームに迎えることができたのは誠に喜ばしい限りだ」とコメント。LESはまた、米原子力産業界の重鎮であるG.ダイアルス氏を社長として迎えたことを明らかにしている。


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