[原子力産業新聞] 2002年8月22日 第2149号 <2面>

[米国] ダイナジー社が破綻回避

経営不安が伝えられていた米エネルギー大手のダイナジー社(=写真右側)は16日、所有するノース・ナチュラルガス・カンパニー(NNG)を、米投資会社に売却したと発表、同社は、粉飾会計疑惑と手元流動性不足から迎えていた経営危機を、当面、脱却した。

NNG社を買収したのは、著名な投資家ウォーレン・バフェット氏が率いるミッドアメリカン社で、買収総額は約18.8億ドル(約2230億円)。

NNG社は、テキサス州から米国中東部にかけ、2万6500キロメートルに及ぶ天然ガスパイプラインを保有しており、ミッドアメリカン社がこの価値を高く評価、買収が成立したもの。

ダイナジー社は、2000年の売上高が294億ドル(3兆5000億円)、利益が5億ドル(594億円)にのぼり、フォーチュン30社リストにのせられている大企業だが、不正会計疑惑に揺れている。子会社には、クリントン原子力発電所(97万キロワット・BWR)を1999年まで所有していたイリノイ・パワー社がある。

米証券取引委員会(SEC)は、全米の大企業に対し、14日までに、各社の決算が適正であることを、各CEOらが個人的に保証するよう求めていた。ダイナジー社は14日にこれを保留条件付きで提出したものの、SECは求めた形式で提出されていないとしている。ダイナジー社は、経営不安から、1年前には40ドル台だった株価が、直近では1〜2ドル台にまで下がっている。


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