[原子力産業新聞] 2002年8月22日 第2149号 <3面>

[WH社] 韓国の新規炉で機器供給

英原子燃料会社(BNFL)グループのウエスチングハウス(WH)社は9日、韓国水力・原子力発電会社(KHNP)が新古里および新月城の2つの原子力発電所で建設する合計4基の原子炉について、技術エンジニアリング支援サービスおよび計装制御(I&C)系などの機器供給で総額3億5000万ドル(417億円)以上の契約を受注したと発表した。

韓国電力公社(KEPCO)の子会社であるKHNPは現在、韓国内の原子炉16基すべてを運転しているが、新たなこのプロジェクトでKHNPは100万キロワット級PWR4基を新古里1、2号機および新月城1、2号機として建設する。ウエスチングハウスのシステム80型炉で実証された技術に基づく韓国標準型炉プラスの設計になるとしている。同プロジェクトではまた、韓国電力エンジニアリング社(KOPEC)や同国の機器メーカーである斗山重工業がタービンや圧力容器、蒸気発生器などの供給契約を獲得しており、KHNP自身は許認可から資材の調達、建設、原子炉の起動および操業までプロジェクト全体の管理を担当する。

新古里1、2号機は釜山の古里原子力発電所サイトで稼働するPWR4基に隣接して建設されることになっており、2009年の操業開始を目指す。一方、新月城1、2号機が建設されるのは現在4基のCANDU炉が稼働している慶州の月城原子力発電所サイトで、操業開始は2010年を目標にしている。

WH社が韓国に初めて原子力蒸気供給系(NSSS)を納入したのは70年代の終わり頃。今回の受注により同社は、コネチカット州、ニューハンプシャー州およびペンシルベニア州にある4工場で韓国向け機器の製造とエンジニアリング作業を実施する。同社のS.トリッチ社長兼最高経営責任者によると、WH社は将来、I&C機器の製造ノウハウを韓国に移転することになっており、「将来を見越した韓国のプログラムは、今後のエネルギー自給を保証する上で大きな助けになるだろう」とコメントしている。


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