[原子力産業新聞] 2002年8月22日 第2149号 <3面>

[カナダ] ブルースパワー社来春の運転再開目指す

カナダでブルース原子力発電所を操業するブルース・パワー社は7月31日、A発電所の3、4号機(各90万4000キロワット、CANDU炉)を来年春に運転再開させるため、諸手続きを加速していくとの考えを明らかにした。

同3、4号機は98年春から休止状態にあるが、同発電所では、来年夏を目標としていた4号機の運転再開が4月に前倒しできるよう、年末に第1回目、来年2月には第2回目の審問会開催に向けて準備作業を進めているところ。同社幹部のD.ホーソン氏によると、同3号機についても夏の需要ピーク時を前に運転再開が実現する見込みとなっている。ホーソン氏は、審問会実施の日程についてはカナダ原子力安全委員会(CNSC)が保証してくれているとの点を強調。「審問会は是が非でも成功させなくてはならないが、当社は運転再開が妥当であることを証明するのに必要な書類はすべて、時宜を得て規制当局に提出している。もとより当社はこの運転再開計画実施に際して徹底的な調査を実施しているので絶対にうまくいくと確信している」との見解を示した。

同氏によると、オンタリオ州の電力市場はこの夏の1日のピーク時需要が2500万キロワット以上に達しているが、両炉の運転再開によって150万キロワットの電力が追加で活用できることになる。なお、ブルース・パワー社は今年初頭に同発電所の性能改善のために18億カナダドル(1386億円)を投資する計画だと発表。所有者であるオンタリオ・パワー・ジェネレーション社とのリース協定項目を考慮して、すでに6億2500万加ドル(481億円)を初期投資として同発電所に投入したほか、ブルースB発電所の4基でタービンを取り替えるのに4億ドル、性能改善作業を完了するのに4億加ドルなど、今後3年間の合計でさらに8億加ドル(616億円)が費やされるとの見方を示した。


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