[原子力産業新聞] 2002年8月22日 第2149号 <3面>

[NRC] 可燃性ガス管理基準緩和を検討

米国原子力規制委員会(NRC)は7月30日、原子力発電所における可燃性ガス管理基準の緩和を検討していると発表した。

具体的な基準緩和の方法としてNRCは、冷却材喪失事故(LOCA)に伴って発生する水素や酸素などの可燃性ガスを管理する機器について規制要求項目を削減したり緩和することになるとしている。また、これらのガスをモニターする機器についても要求項目の緩和を提案していく考えだ。

NRCは過去20年間にわたって、事故時の原子炉内における可燃性ガスの発生状況や挙動に関する理解を深めるべく研究プログラムの実施を後援してきた。こうした研究の結果、設計ベースのLOCAで発生する水素ガスが直ちに格納施設の破壊に繋がるわけではないことが分かったとしている。このためNRCは、安全性に影響を及ぼすことなくいくつかの水素ガスモニターおよび管理機器の要求項目を緩和することが可能であり、格納施設の健全性に関するいかなる長期的な問題点についても、影響を軽減する能力は十分に保たれるとの認識を示した。


Copyright (C) 2002 JAPAN ATOMIC INDUSTRIAL FORUM, INC. All rights Reserved.