[原子力産業新聞] 2002年8月22日 第2149号 <5面> |
[原水禁] 長崎で原水禁世界大会開く原水爆禁止日本国民会議(原水禁・旧総評系)主催の「被爆57周年原水爆禁止世界大会長崎大会」が7〜9日の日程で、長崎市内で開催された(=写真)。 「核も戦争もない平和な21世紀に」をスローガンに開かれた同大会。初日にあたる7日に、同市の長崎ブリックホールにおいて行われた開会総会には、海外代表を含めて約2500名が参加。冒頭の挨拶で中崎幸夫長崎実行委員長は、「米国が核軍縮の流れを、拡大の方向へ引き戻そうとしており、核廃絶運動は、大変な時を向かえている」として、「『米国の暴走』を、平和運動がどう阻止して行くか。どういう具体的運動を展開して行けるかが、今大会のポイントだ」と参加者に訴えた。 翌8日には、分科会および被爆者との交流会などが行われた。その中のひとつ、第4分科会「原子力政策の転換をめざして」では、核燃料サイクル政策からの転換を主なテーマとして、原子力資料情報室の西尾漠氏および、弁護士の海渡雄一氏を講師に迎え、講演などが行われた。 西尾氏は、現在は(1)民主主義が「成熟」して来ている(2)電気が売れなくなっている(3)電力自由化の流れ‐‐などという状況になっており、核燃料サイクルを行うという、国の原子力政策は破綻しているとする意見を強調するとともに、再処理は1日も早く中止すべきであるとした。 また、引き続き講演した海渡氏は「エネルギー政策基本法」について、同氏の視点から見た問題点を指摘。また再処理については、「来年のホット試験を何が何でも止めたい」などとした。 大会は翌9日に、閉会総会、非核平和行進などが行われた後、原爆が投下された午前11時2分には同市爆心地公園において、参加者全員による黙とうが行われるなどして閉幕した。 |