[原子力産業新聞] 2002年8月22日 第2149号 <6面>

[セイコーインスツルメンツ] X線膜厚計を発売

セイコーインスツルメンツ(SII)はハイブリッド検出器搭載により、10ナノメートルの極薄膜を高精度・迅速に測定できる蛍光X線膜厚計「SFT9455」(=写真)を開発、7月30日に発売した。

高分解能検出器と高計数率検出器の2つを組合わせることで、最大で5層10元素までの幅広いアプリケーションへの対応と、高スループット・高精度測定を両立。 特に金の0.05μメートル程度以下の極めて薄いめっきを測定する場合、従来の測定下限の3分の1である10ナノメートルに測定性能が向上した。販売価格(税別)は、1350万円から。

従来の蛍光X線膜厚計は、高分解能検出器か高計数率検出器の何れか一方を使用しており、それぞれ一長一短があった。高分解能検出器はエネルギー分散型検出器の中で、エネルギー分解能が高い検出器。原子番号が隣り合った元素から発生する蛍光X線はエネルギーが近く、ピークが近接しているが、これを容易に分離することができる。一方 の高計数率検出器は、エネルギー分解能はそれほど高くはないが、単位時間あたりに計測できるX線強度が非常に高い検出器で、短時間で精度の良い測定結果が得られるという特長がある。


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