[原子力産業新聞] 2002年8月29日 第2150号 <2面>

[原子力環境整備促進・資金管理センター] 講演会開催

原子力環境整備促進・資金管理センター主催の「スウェーデンにおける地層処分の最新状況」と題する講演会が26日、都内で開催され、同国の核燃料・廃棄物管理会社(SKB)のアールストローム顧問が、スウェーデンにおける原子力発電の現状、放射性廃棄物管理・処分の体制や技術等について講演を行った。

SKBは、1990年代より使用済み燃料の処分場建設に向けた調査等を実施しており、8か所で予備調査を実施。2つの自治体が処分場立地を受け入れたため、今年からサイト調査を実施中だ。

アールストローム氏はスウェーデンの原子力発電をめぐる世論の動向について説明し、今年5月の調査では、15%が「必要ならば新規原子力発電所建設を支持」、28%が「必要なら古い原子力発電所の建てかえも容認」、35%が「原子力発電所の運転継続を容認」。「運転中の原子力発電所を閉鎖」とするのは19%に過ぎないとの結果を紹介。現存の原子力発電所の運転継続を認める意見は、1997年頃からコンスタントに80%前後を占め、閉鎖を求める20%前後を大幅に上回っているとした。

現在計画されている深層貯蔵施設は、深さ400〜700メートルに約9300トン(ウラン換算)の使用済み燃料を処分するもの。使用済み燃料棒は、直径1メートル、高さ5メートルの銅製キャニスターに詰め替えられ、地下500メートル程度の結晶岩の母岩にベントナイトをバッファー材として埋められる。1本のキャニスターには、PWR燃料で燃料集合体4体、BWR燃料で12体分が収納される。

今年から調査が始まる処分候補地では、2008年からボーリングを含む詳細特性調査を開始、2015年には処分総量の10%を使った初期操業が始まる予定。


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