[原子力産業新聞] 2002年9月19日 第2153号 <1面>

[東京電力] 社内調査を公表

東京電力の原子力発電所自主点検結果に一部不正があった問題について、同社は17日、社内調査結果と処分、再発防止策を経済産業省原子力安全・保安院に報告するとともに、同日公表した。

報告書では、不正の疑いのある29件のうち、16件に「不適切な点が認められた」と判断。また、責任の所在については「原子力の点検・補修業務に関して長年にわたり組織的に行われてきたと認定せざるを得ない」とした上で、「こうした業務を組織として遂行し、もしくは容認してきた、原子力発電所及び本店原子力部門が組織全体として負うべきものであり、最終的にはそれぞれの幹部に帰する」として、役員および原子力部門の計35人の処分を決定している。

さらに、問題が起きた動機・背景について(1)保修部門社員は、スケジュールどおりに定期検査を終わらせて、自分たちの電源を系統に復帰させることに強い責任を感じていた(原子力部門幹部も同様)(2)そのことから、「安全性に問題がなければ、国へのトラブル報告はできるだけ行いたくない」という心理が醸成されていった(3)こういった心理に「安全性に問題がなければ報告しなくてもよいのではないか」という誤った考えが加わった‐‐と分析。再発防止策として「情報公開と透明性確保」、「業務の的確な遂行に向けた環境整備」、「原子力部門の社内監査の強化と企業風土の改革」、「企業倫理の徹底」を掲げている。


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