[原子力産業新聞] 2002年9月19日 第2153号 <2面>

[経済省評価委] 東電不正問題の調査過程の審議開始

東京電力の原子力発電所自主点検データ不正記載の問題を受け、経済産業省は13日、東京電力点検記録等不正の調査過程に関する評価委員会(委員長=佐藤一男・原子力安全研究協会理事長)を始動させた。

今回の問題の調査過程の検証と問題点などの検討を進めるため、経済相の直属委員会として設置された。今月中を目処に中間とりまとめを行う。

初会合では調査過程の詳細や今後の課題などが審議された。委員からは、今回の調査の発端になった申告者であるGE子会社社員に対する当初の事実確認が不十分であったことや、申告事案の対象となる東電に事実確認を求めたこと、GE社に対する調査が遅れた点など、調査のあり方についての問題点が指摘されたほか、申告制度の実効性を高める対応が必要などの指摘がなされた。

この日の委員会に出席した佐々木宣彦原子力安全・保安院長は、委員からの指摘について「厳しく受け止める」とし、今後の対応策のひとつとして原子力施設安全情報申告調査委員会のあり方を見直し、暫定的に処理期間を30日以内とすること、対応や公表方針などを迅速に決定することを提案、同申告調査委には外部専門家も入れることを示し、同委員会の了承を得た。


Copyright (C) 2002 JAPAN ATOMIC INDUSTRIAL FORUM, INC. All rights Reserved.