[原子力産業新聞] 2002年9月19日 第2153号 <2面>

[原子力安全・保安院] 暫定調査結果を公表

原子力安全・保安院は13日、東京電力の原子力発電所における自主点検作業記録の不正等に係る調査対象29件に関する暫定的な調査結果を発表した。東電関係者や米GEの関係者からの事情聴取や調査の結果、技術基準適合義務等を遵守していなかった可能性があるものが6件、国への報告を怠ったり、事実に反する報告を行ったりした可能性があるものが5件あることが明らかになった。そのほか事業者の自主保安のあり方として適切とはいえない事案が4件あったとしている。

一方、通常の保守点検活動に関して、GEと東京電力の間に見解の相違が生じたものの、安全規制や事業者としての自主保安のあり方との関係では特段の問題は見いだされない事案が14件あったとしている。

基準等に違反がある可能性を指摘されたのは、シュラウドに関するものが5件と蒸気乾燥器(ドライヤー)に関するものが1件だった。ひび割れを国に報告しないまま、シュラウドを交換した事案等も義務違反の可能性がある指摘されている。同院は、今後も調査を継続し、今回の調査結果について更に検討を加え、関係の委員会で取りまとめる再発防止策及び当院の調査活動に関する外部評価の結果とあわせ、今月中を目途に中間報告として公表する予定としている。


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