[原子力産業新聞] 2002年9月19日 第2153号 <3面>

[米LES社] 濃縮工場サイト決定

ウレンコ社を中心とする企業連合のルイジアナ・エネルギー・サービシズ(LES)社は11日、米国内に建設を計画している新型遠心分離法ウラン濃縮工場の建設サイトとして最終的にテネシー州ハーツビルを選定したことを認めた。

LESは今後、総工費11億ドル(1330億円)の同工場の建設認可を年内のできるだけ早い機会に米国原子力規制委員会(NRC)に申請する考え。ハーツビル住民の質問に対応するため、近々、地元にオフィスを設置することになる。

今回の選択について同社のG・ダイアルズ社長兼最高経営責任者は、「国産の濃縮ウラン生産に競争原理が働くことになり、米国のエネルギー保障に対する貢献は計り知れない」と強調するとともにサイトの選定にあたっては客観的な得点システムを採用したと説明。全米の40か所以上について決定分析モテルを用いで審査・得点していったところ、テネシー州ハーツビルとアラバマ州ベルフォンテの二地点が技術基準で最高レベルを得点して最終選考に残ったとしている。

ハーツビルはテネシー峡谷開発公社(TVA)が70年代初頭に2基の原子力発電所の建設を計画したものの、予想通りに需要が伸びなかったことなどにより83年と84年に計画は相次いでキャンセル。一方、ベルフォンテでもTVAが建設途中だった原子力発電所2基が未完成に終わったという経緯がある。これら2地点の比較では事業面および環境面でハーツビルの得点が高かったことから最終的に立地点に選んだとしている。

LESにはウレンコのほかにウエスチングハウス社、カナダのカメコ社が全面的に参加しているほか、エクセロン社やデューク社、エンタジー社が部分的に参加している。


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