[原子力産業新聞] 2002年9月26日 第2154号 <1面>

[米DOE] 次世代炉国際フォーラム開く

米国エネルギー省(DOE)が主導する「第四世代国際フォーラム(GIF)」政策グループの会合が、19、20日に東京港区の全日空ホテルで開かれた(=写真)。2日目の会合には来日中のエイブラハムDOE長官やコロンバーニ仏原子力庁(CEA)長官も出席、炉型選択や研究開発での協力について協議した。

会合にはGIF参加10か国のうち、カナダ、仏、日本、韓国、南アフリカ、スイス、英国、米国の8か国から、マグウッドDOE原子力局長やブシャールCEA原子力開発局長などの上級担当官が出席、経済協力機構・原子力機関(OECD・NEA)のエチャバリ事務局長らがオブザーバー参加した。

会合では最初に藤家原子力委員長が挨拶、日本も革新炉の研究開発でDOEと協力しつつイニシアティブを取っていくと述べた。

次に、現在候補に上げられている六炉型について、各国の興味度やプライオリティを調査、各国は炉型別に、(1)高、(2)中、(3)低、(4)興味なし‐‐の得点をつけるよう求められ、日本は、超高温ガス炉(VHTR)とナトリウム冷却高速炉に「高」、ガス冷却高速炉(GFR)と超臨界水冷却炉(SCWR)に「中」などのランク付けとなった。

炉型別に見ると、VHTR、GFR、SCWR、ナトリウム冷却炉がそれぞれ3か国以上の「高」の支持を取り付ける一方で、MSRを強く推す国はなく、鉛合金冷却炉もスイスのみが「高」と、炉型への支持がはっきり分かれた。この結果を受けてDOEのマグウッド原子力局長は、「選択されている6炉型を、再検討する必要があるかもしれない」と述べた。日本はナトリウム冷却炉のとりまとめ役を務める。

2日目にコロンバーニCEA長官とエイブラハムDOE長官が出席して行われた会合では、コロンバーニ長官が、革新型炉が満たすべき四つの特徴は、経済的競争力、安全性、持続的開発への貢献、核拡散やテロへの抵抗性だとし、放射性廃棄物の低減化も重要と述べた。マグウッド局長は、ロシア、ドイツ等、現在GIFに加わっていない国からの情報も考慮する必要があるとコメントした。

会議は2日目にコミュニケを採択、第4世代原子炉プロジェクトは、清潔で安全かつ経済的なエネルギー供給に原子力が貢献できることを目指すとし、水素製造や海水淡水化などにも使える持続可能なシステムを開発すると述べている。

次回のGIF会合は来年3月に南アフリカで開かれる予定。


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