[原子力産業新聞] 2002年10月3日 第2155号 <1面>

[台湾] 馬鞍山で防災訓練実施

台湾で原子力防災を担当する全国核子事故処理委員会(NNEMC)は、9月26、27の両日、馬鞍山原子力発電所(95万キロワット、WH社製PWR)で原子力防災訓練を実施、約880名が参加した。日本からも初めて、核燃料サイクル開発機構の高橋啓三氏が参加した。

今回の防災訓練は、1989年に第1回目を実施して以来、通算8回目。台湾にある3か所の原子力発電所で回り持ち実施されている。今回は馬鞍山原子力発電所に近い台湾南端の屏東県で訓練が実施された。訓練の目的は、事故通報システムと防災手段の検証、原子力防災に関する地元住民の啓蒙‐‐など。

1日目の26日には、地元の国民小学校にNNEMCの前進指揮所(オフサイトセンター)を設置、26日午後に馬鞍山発電所で事故が発生し、放射線量が敷地外で毎時0.02ミリシーベルトに達したとの設定で演習を開始、まず机上訓練が行われた。今回は住民避難が実施されなかったが、地元の病院でヨウ化カリウム(KI)の配布訓練が行われた。2日目は一般を対象に「防護教育のための園遊会」が開かれ、防災知識普及がはかられた。

今回の演習については、14名からなる評価委員会が報告書をまとめ、今後の演習の改善に役立てる。


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