[原子力産業新聞] 2002年10月3日 第2155号 <1面>

[イラク] 査察再開に合意

イラクでの現地査察再開をめぐる実務者協議が、9月30日と10月1日、ウィーンの国連本部で開かれ、イラク側は過去の国連安保理決議にもとづく査察の受入れに合意した。イラク側は全ての施設への無条件、無制限の即時査察で合意したものの、フセイン大統領のいわゆる「宮殿」などの八施設については、1998年の了解覚書に基づいた手続きを踏むことで合意したが、これには事前通告と立ち会いが含まれている。また、イラク側から、査察対象施設の1998年6月から2002年7月までの状況を記したCD‐ROM4枚が手渡された。

会談にはイラク側からアルサディ大統領顧問、国連側は国連監視検証査察委員会(UNMOVIC)のブリックス委員長や国際原子力機関(IAEA)のエルバラダイ事務局長らが出席した。ブリックス委員長は、3日に会談の結果を安保理に報告するとしている。国連側は10月15日頃にもバグダッドに先遣隊を派遣、査察再開に備えたい意向だが、安保理の動き次第で遅れる可能性もある。


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