[原子力産業新聞] 2002年10月3日 第2155号 <2面>

[ITER] 政府間協議開く

カナダ、EU、日本及びロシア連邦の代表が参加しITER核融合計画の共同実施についての交渉を行うためにこのほど、政府間協議が行われた。

協議では、国際的な専門家グループがカナダのクラリントンにおいてサイト提案の共同評価に着手し、サイト選定に向けてのプロセスが始まったことを報告。共同評価は順次、10月に日本サイトの六ヶ所村で、また12月にEUのサイトの、フランスのカダラッシュとスペインのバンデロスでそれぞれ予定。また、今回の協議でITERの共同実施にむけての移行措置についての取り決めに関する合意が得られた。

日本は六ヶ所村の正式なサイト提案書を本会合に提出し、ITERサイトとしての優れた点を説明。日本から参加した青森県の代表者は10月に予定されている政府間協議のメンバーの訪問に対し歓迎を表明した。

次の数か月にわたって、政府間協議のメンバーと技術的な専門家が日本、スペイン、フランス、ロシアにおいて一連の会合を開き、サイト共同評価を来年の初めにも終了、共同実施協定の草案を2003年中頃に完成させることをめざしている。

今回の会合では結論として、各極代表からITER計画の実施に向けての重要な事項について顕著な進展があったこと、特にサイト共同評価のプロセスが成功裏に開始されたことについて、各国代表からは一致して楽観的な見通しが示されたという。

次回の政府間協議は日本の青森県六ヶ所村において、今月29、30日に開催される。日本は今回の協議で青森県の主催による今月31日青森市での国際ITERフォーラムに各極代表団を招待。また11月1日に日本経済団体連合会主催で東京においてITERシンポジウムが開催されることが紹介された。


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