[原子力産業新聞] 2002年10月3日 第2155号 <5面> |
[島津製作所] X線の異物検出装置を発売島津製作所は1日から中型検査物の検査に用いる装置では最大の検査範囲を持つインライン用中型高性能X線異物検出装置を発売した(=写真)。検査範囲に加え、幅広い対象物の検査が行える。透視画像を大型カラー液晶モニターに表示でき、しかも装置の水洗いを可能にして衛生面も向上させた。商品名はX線異物検出装置SLDX‐5000XAS。 食品の加工工程での異物や異状の検出は、PL法に基づく製造物責任、HACCP(原料から最終製品化までの各加工工程での品質・衛生管理)の普及、さらには最近の食品への異物混入事件の多発を契機とする消費者の安全に対する関心の高まりなどに伴ない、ますます重要なものとなっている。このため食品中の異物の有無を加工工程でチェックする装置の需要が高まっており、とりわけ金属検知機では検出できないアルミパッケージ入り食品検査や石・ガラス・硬質プラスチックなどの異物が検出できるX線検出装置は、金属探知機に置き換わって普及しつつあり、2002年の市場規模は2年前の約2倍の約50億円になると推定されている。 新発売のX線異物検出装置は中型検査物検査用の装置で、X線貫通型フラットコンベアで食品を搬送しながらX線を透過させ、ラインセンサ‐で透過像を検出して画像を解析し、異物混入や内容物の過不足の有無を自動判別する。 最大の検査範囲(最大検査幅394ミリ、最大検査高さ150ミリ)を実現し、また、重量も最大10キログラム(コンベア速度30メートル・分以下の場合)の検査物が検査できる。このため、従来は大型の検査装置を必要とした食品の検査にも同装置を用いることができる。また操作を行うタッチパネルは12・1インチの大型カラー液晶モニターとなり、透視画像がカラータッチパネル内に表示されるなど、操作性が大幅に向上した。装置の重量は320キログラム、大きさも幅800ミリ、奥行800ミリ、高さ1650ミリと非常に軽量コンパクト。さらに標準仕様で40枚の検査画像を記憶できる。定価は750万円。初年度に180台の販売を目標としている。 |