[原子力産業新聞] 2002年10月26日 第2158号 <2面>

[原産] 日韓セミナー特別講演

原産が韓国原産と共催で開いた「第24回日韓原子力産業セミナー」では、「国民交流年」の記念行事として、日韓等、日本とアジアの交流を描く若手作家の亜洲奈みずほ氏(=写真)が「日韓交流の新時代」と題し、若い世代から見た日韓交流の新潮流について講演を行った。

同氏は、ワールドカップ共催で日韓交流は新しい段階に入り、国家を越えた同じ人間として異文化への関心からの交流が始まっていると指摘、芸能や日常生活など感性中心の交流が始まっていると述べた。また、若い世代同士のライフスタイルが似ていることから、互いの文化をサブカルチャーの一種として受け入れやすくなっており、日韓の距離感が変わってきていることを指摘した。

日韓の人的交流も盛んで、日本人の訪韓が237万人と渡航国別で第2位、韓国人の訪日が128万人と第1位で、国際結婚でも日本人女性、男性とも、韓国人相手がそれぞれ第1位、2位。

一方、人々のメンタリティーには違いが見られ、韓国人は民族意識が強く演繹的な論理で考えるのに対し、日本人はコスモポリタン的であり帰納的、日本人のタテマエとホンネに対し、韓国人は「公と私」の意識を持つことを指摘した。

韓国のよく知られていない面としてブロードバンド大国であることをあげ、ADSLへの加入者数は、2000年末段階で日本が数万人規模の時に、韓国では400万人にものぼっていたと指摘した。

亜洲奈氏は、今後の日韓関係を見つめて両国民に助言、日本に対してはアジアの先進性から目をそらさないこと、韓国に対しては侵略アレルギーを克服することなどを提言、「似て非なる」が「どこか緩やかに繋がりあっている」日韓関係を展望した。


Copyright (C) 2002 JAPAN ATOMIC INDUSTRIAL FORUM, INC. All rights Reserved.