[原子力産業新聞] 2002年11月7日 第2160号 <2面> |
[ITER] 政府間協議、青森県で開催カナダ・EU、日本及びロシア連邦の三極の代表は、10月30日、ITER核融合エネルギー研究計画の実施に向けた第6回政府間協議を、青森県六ヶ所村で開催した。 同村は、日本が提案しているITER建設候補地。会の冒頭、核融合エネルギー推進議員連盟会長の森喜朗前首相は、各極の代表団を歓迎する言葉を述べるとともに、「人類の繁栄と平和、環境保持のためにエネルギー問題は重要であり、国際協力のもと日本政府全体でITERを推進するべきだ」と、同計画の意義を強調。また、引き続き挨拶した木村守男青森県知事は「ITERを誘致し、計画の推進を通して国際社会に貢献したい」とした。 第6回政府間協議の実施により、文部科学省では(1)六ヶ所村の日本提案サイトについての「サイト共同評価作業」が実施された(2)ITERの実施への条約(共同実施協定)や調達配分、ITERへの参画により生じる知的所有権のような他の事項の広い範囲において、重要な進展が得られた(3)計画の実行に責任を持つ法的事業体をITER International Fusion Energy Organization(ITER国際核融合エネルギー機関)と呼ぶことに合意がされ、「現在の調整技術活動とITER国際核融合エネルギー機関の設立の間の移行期間に技術的な活動がなされるべき」とのことから、ITER Transitional Arrangements(ITER移行措置)が設けられることで合意がなされた‐‐などの成果が得られ、「各極代表団は重要な課題が解決されつつあり、ITER核融合エネルギー研究計画の実現に向けて着実に進んでいるとの確信を深めた」としている。 今後は数か月にわたり、政府間協議のメンバーと技術的な専門家による一連の会合を開き、サイト共同評価を来年の始めに終え、共同実施協定の案を2003年中頃に完成させることを想定している。 |