[原子力産業新聞] 2002年11月14日 第2161号 <3面> |
[ブラジル] アングラ3号機 建設再開に見通しブラジルの原子力発電会社エレクトロニュークリア社は10月22日、76年に発注されたものの建設工事が中断していたアングラ原子力発電所3号機の完成で政府から全般的な承認を得たと発表した。 これは中国の深せんで開催されていた環太平洋原子力会議で同社の社長が明らかにしたもの。同炉の建設工事を来年にも再開させるため、エレクトロニュークリア社が具体的な手続きを取ることを同国の国家エネルギー政策審議会(CNPE)が10月初旬の会合で承認したと伝えられている。ただし、同国では10月27日の大統領選挙で労働党のL.ルーラ名誉党首が初当選したばかり。最終的な決定は来年1月に着任する新政権に委ねられており、来年5月をメドにエレクトロニュークリア社が中間報告書を政府に提出する予定だ。 CNPEによれば、うまく作業が進めばアングラ3号機は2008年11月にも完成する見通し。同国の電力開発計画では2009年から同炉の電力活用に適切な条件が整うことになるとしている。 CNPEとしてはエレクトロニュークリア社が今後取るべき手順として具体的に次の三点を指摘した。すなわち、(1)ブラジルで稼働する原子炉3基(アングラ3号機を含む)のために、国家原子力委員会とともに低・中レベル放射性廃棄物の最終処分場建設サイトを選定する(2)同炉の環境認可が保証されるよう必要な対策をすべて取る(3)操業初年度における利息や割賦償還額の支払い条項を含む財政計画をCNPEに提出する‐‐など。 CNPEはまた、エンジニアリング・サービスの準備、入札案、契約交渉、銀行その他の信用貸付機関との交渉、環境認可などを含めた具体的な手順は2003年5月までに踏むよう指示している。 |