[原子力産業新聞] 2002年11月21日 第2162号 <4面>

[日本原燃] 溶接部の不備判明

日本原燃は15日、再処理事業所使用済燃料受入れ・貯蔵施設のPWR燃料貯蔵プール水漏えい原因調査状況を原子力安全・保安院に報告した。

日本原燃ではPWR燃料貯蔵プール北壁部西側ライニング部からの漏えいについて床面の溶接部(熱影響部含む)で確認された漏えい欠陥箇所を切り出し後、先月29日に社外研究施設に搬出し、漏えい原因調査を進めているところ。

その結果、貫通欠陥が確認されたライニングプレートの溶接部には、本来、底部ライニングプレートが直接埋込金物と溶接されるべきところ、表層のみを溶接し継ぎ足された部材があることが確認されたとしている。

これまでに日本原燃では、漏洩のあった溶接部全体に対して超音波探傷検査を実施し、同溶接部のライニングプレート部(約3.5メートル)のほぼ全長にわたり、有意な指示を確認した。社外研究施設で試験片の断面観察を行ったところ、欠陥部分にライニングプレート溶接部に、継ぎ足し部材の存在を確認するとともに、ライニングプレートと継ぎ足し部材とは表層のみがごくわずかに溶接されており、この部分に貫通欠陥が生じていることが確認されたという。

今後日本原燃では、今回の溶接方法が、施工業者(元請企業)があらかじめ決めていた溶接方法にない不適切な溶接が行われたものと考えており、関係者への聞き取りを含めて事実関係を究明し、他にも同様の溶接が行われていなかったか早急に確認する方針としている。

原子力安全・保安院は20日、日本原燃に対し、早期に事実関係の更なる詳細な調査及び原因究明の実施とそれらの結果の報告、また、同様の問題の可能性のある箇所に関する点検をを実施し、再発防止対策も含めて文書で報告をするよう求めた。


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