[原子力産業新聞] 2002年11月28日 第2163号 <1面>

[米・DOE] 35年以内に発電炉、今後の開発方針を決める

米国エネルギー省(DOE)は、25日、メリーランド州ゲイザースバークで核融合科学諮問委員会(FESAC、委員長ハゼルスタイン・テキサス大教授)を開催、同委の下に設けられた「開発方針パネル」がまとめた、今後35年以内に核融合発電を行うための開発計画報告書案を、全会一致で承認した。

「核融合エネルギー開発のための計画」と題する同報告書案は、磁気閉じ込め方式と慣性方式の二方式の核融合について検討、「ここに掲げられた計画により、35年以内に核融合発電実証炉(Demo)を運転し、核融合を商業化することは可能と判断する」としつつも、核融合を実用的なエネルギー源にするためには膨大な科学的・技術的課題が残っているとして、これに必要な費用等を、3月までに最終報告で示す意向だ。

磁気閉じ込め方式については、「基本的にプラズマ燃焼試験への米国の参加次第」と述べ、今年9月にFESACが国際核融合実験炉計画(ITER)への復帰を勧告したことを受け、これを進めるよう求めている。

Demoの運転を35年以内に始めるためには、現在から24年後頃に設計を開始する必要があるとし、このためには機器試験施設(CTF)の設計・建設をタイムリーに始める必要があるなど、開発に必要な各要素の多くがリンクしており、しかも時間的余裕はあまりないと述べている。


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