[原子力産業新聞] 2002年11月28日 第2163号 <1面>

[原子力安全委員会] 評価チームが始動

東電問題を機に原子力発電事業者の行う点検方法の適切さなどの評価を行うため、原子力安全委員会に設置された「原子力発電施設安全性評価プロジェクトチーム」は、25日午後、初会合を開き、中桐滋・横浜国立大大学院教授を座長に、矢川元基・東大大学院教授を副座長に選び、審議を開始した。同チームは、事業者の点検方法の適切さ、保安院や事業者の評価手法の妥当さ、ひび割れ等が生じている再循環系配管・シュラウドの強度等の評価結果の妥当性と、これにもとづき行われる補強等の対策の妥当性などを検討することとなった。

プロジェクト・チームの今後の調査方法としては、保安院よりデータを入手し代表的な事例について、亀裂の進展予測やそれにもとづく設備の安全性評価を自ら行うほか、12月上旬にはプロジェクトチーム構成員が現地調査を行い、当該部位や事業者の点検作業等を確認することになっている。

初会合では保安院より、原子力安全・保安部会原子力発電設備の健全性評価に関する小委員会での議論等の説明があり、ひび割れの可能性については幅広く慎重に実施すべきとの意見や、事業者の評価手法についても公開して検討すべきとの意見が寄せられていることが紹介された。


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