[原子力産業新聞] 2002年11月28日 第2163号 <2面>

[国連監視検証査察委員会] 27日からイラク査察開始

ブリックス国連監視検証査察委員会(UNMOVIC)委員長は、25日、国連安全保障理事会に対し、今月18〜19日に国連査察立ち上げのために訪問したイラクでの、同国政府当局者との協議の模様などを報告した。

ブリックス委員長は、イラク側の査察責任者のアル・サーディ大統領顧問やサブリ外相と協議、イラク側は安保理決議1441実施へ全面的に協力すると約束した。同委員長は、査察団が安保理から許可されているとおり、全施設への事前通告なしの査察を行うと述べ、イラク側に以下の点を要求した。

▽イラク市民が大量破壊兵器計画に関わるのを禁止する法律の制定

▽査察対象施設が大量にある北部のモスルに現地事務所の設置

▽バグダッドの査察事務所の拡張とイラクの国家監視局とのホットラインの設置

▽現在または過去に大量破壊兵器計画に関わっていた人名の提出

以前焦点になっていた「大統領宮殿」等への査察について、安保理決議は「他のサイトと同等のアクセス」を認めており、ブリックス委員長もそれを要求したが、イラク側は「大統領宮殿や省庁への立ち入りは、工場等と全く同じ訳にはいかない」と述べたという。

査察団本隊は25日にイラク入りしたあと、27日から査察を開始するが、クリスマス頃には査察団と支援スタッフは100名程度にまで増える予定で、バグダッドのキャナル・ホテルに設置したバグダッドの現地事務所を拡張する必要がある。


Copyright (C) 2002 JAPAN ATOMIC INDUSTRIAL FORUM, INC. All rights Reserved.