[原子力産業新聞] 2002年11月28日 第2163号 <3面>

[中国] 秦山V−1が送電開始

中国の浙江省海塩県で建設されている中国初の重水炉である秦山原子力発電所三期工事の1号機(72万8000キロワット、CANDU)が19日午前、送電を開始した。カナダから2基のCANDU6型炉を導入した秦山発電所・3期工事は中国の第9次5か年計画(96年〜2000年)における重点プロジェクトで、中国とカナダ両国最大の共同建設事業でもある。設計寿命は40年で、53か月という工期は中国国内で建設された原子力発電所の中でも最短。世界中で稼働するCANDU炉の中でも工期の短さでは第2位の記録となった。総工費は28億8000万ドル(3514億円)で中国核工業集団公司が51%出資している。

同公司の常務副社長で秦山第三原発有限公司の会長兼社長でもある康日新氏によると、1号機は今年の末にもフル稼働に入り、商業運転を始める予定。1号機と同型の2号機では現在、調整試験が順調に進んでおり、来年8月にも発電を開始する。1、2号機が揃って商業運転に入ると年間の発電電力量は100億キロワット時近くに達することになり、華東地区の電力不足が緩和されると期待されている。(中国通信)


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