[原子力産業新聞] 2002年12月5日 第2164号 <1面>

[福島県] 「知事を囲む会」開催

福島県のエネルギー政策をテーマに佐藤栄佐久知事が県民からの意見を聞く「知事を囲む会」が2日、郡山市の郡山ビューホテルアネックスで開かれた(=写真)。同県は昨年5月に県のエネルギー政策検討会始動にあたり県民の意見を聞く会を開いている。今回当時の出席者から11人を招いて懇談。出席者からは東電不正問題を踏まえ「脱原子力の方向性を明確にすべき」「立地県どうしが足並みをそろえて国に要望することが必要では」と、原子力そのものを早急に止めるべきとの意見。一方「止めるにしても慎重に考えるべきだ。市民に公開されたプロセスで議論されるべき」との意見や、「電力供給の4割をまかなう原子力を止めるわけにはいかない」「地元は静かだ。沈んでいる。経済や雇用の面でも、今回の不祥事に早くケリをつけてもらいたい」などの意見が出された。また、シュラウドのひび割れ等の設備健全性に関する評価基準について、「判断の基準が分からない。傷があるのだから直すのが当然というのが地元住民の考え方だ」とする発言がみられた。

佐藤県知事は現在、停止している各原子力発電所の運転再開について「原因の報告を踏まえて考えなければならない」とした。情報もきちんと公開して国民の理解を求めることが重要との認識を示した。


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