[原子力産業新聞] 2002年12月5日 第2164号 <1面>

[米国] 「パキスタンが濃縮技術供給」国務長官認める

ニューヨーク・タイムズ紙が11月21日、北朝鮮に高濃縮ウラン製造技術を輸出したのはパキスタンと報じたが、米国のパウエル国務長官は事実上これを認めた。パウエル長官は11月25日、メキシコ訪問途上の機内で記者団の質問に答え、同紙の報道に「付け加えることは無い」と述べ、ムシャラフ・パキスタン大統領に対し、「パキスタンと北朝鮮との、この種の接触は不適切であり、深刻な結果を招く」と警告したことを明らかにした。これに対してムシャラフ大統領は、今後このような接触はしないと保証したという。

ニューヨーク・タイムズ紙は、今年7月にパキスタン軍の米国製C‐130輸送機が北朝鮮の空港に着陸し、パキスタンにミサイル部品を積み込むところが、米国のスパイ衛星に発見されたとし、ミサイル技術供給の見返りに、パキスタンが北朝鮮に対しガス遠心分離機の設計と製造機器を供給したと報じた。

同紙は米情報当局筋の話として、北朝鮮のウラン濃縮計画で使われている技術には「『メイド・イン・パキスタン』のスタンプが一面に押されている」としている。


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